復活の42cm
我が海釣りと野草料理の師であるオーシャン21師は、廿日市市周辺の野・海・原の事情に明るく、あくなき探究心を以って野山や海の幸を求める人であった。
・・が,突然の事故から車椅子生活を余儀なくされるに至り、竿を折ってリハビリに邁進される日々であったことを後日に知らされた。
2年間の苦闘の甲斐あって車の運転は言うにおよばず船の操船をも再開されるまでに漕ぎつけ、再び竿を振って釣りを楽しむ心境になられて共に釣りをする機会を得るに至ったのが昨年の夏のこと・・。
はからずも、17日夜,昨年師が釣りを再開されたその港で一緒に釣ることになった。
師は本来は車椅子に乗り換えて釣るのだが、最近は面倒なので車の中から竿を伸ばして電気浮きで釣っているとおっしゃる。
車を停める場所に制約があるので必ずしもベストの位置での釣りではなく、筏や船がひしめいていて無数のロープが張られている釣りにくい場所であるにも関わらず巧みに狭いポイントに仕掛けを送って辛抱強くアタリを待つと言う、師に取っては不本意な忍耐の釣りである。
私は、そこよりも幾分釣果を望める実績のある場所に移動する。潮は大潮で満潮は21時頃。喰いが止まるまで時間があまりないのですぐに仕掛けを投入して釣り始める。
仕掛けは1.5号の道糸に2号のチヌ鉤,ハリスは1.0,カミツブシの中をつけての探り釣り。餌はアオムシ。
投入直後にいきなり鋭いアタリがあったが次の瞬間フッと軽くなった。切られたのでなく結び目が抜けると言う痛恨の初歩的ミス・・,思えばこれがこの夜最大級のアタリだった。
手のひらサイズが2枚,3枚と上がったが全部放流。やがて満潮を迎えて潮が止まると喰いも止まってしまった。
集中力が切れて気分がいくらかだらけて来た頃,突然携帯が鳴った。













