そして はらはらと散り始めている・・・
ちがこさんが 山女のおばさん の訃報の連絡を ちせこさんから受けたのは 山女のおばさんが亡くなってお葬式も終わった一週間も後のことである・・・
山女のおばさんは ある日突然亡くなった。
心臓発作を起こしたそうである。
おじさんに 明日の朝の味噌汁に入れる あさりをスーパーへお買い物に行ってもらっている ほんの30分の間に。
しばらく前から 山女のおばさんは 素直になった。
おじさんの 趣味の詩吟仲間 すえたろうさんに しばらく教室を休むと連絡を入れてきたのも 山女のおばさんが おじさんに 傍に居て欲しいとせがまれてのこと。
おじさんは 何かあったらいけないと 山女のおばさんの傍を 片時も離れることなく過ごしていたそうである。
親友でもある すえたろうさん&ちせこさん夫婦に連絡を入れなかったのも 山女のおばさんのお願いでもあった。
彼女は死期を感じていたのか 家族宛に 一人一人 遺書を残していたそうだ。
その中に 自分の葬式は 家族だけで済ませて欲しいと書かれており、身内だけの静かな葬式を行うこととなった。
山女のおばさんは ちがこさんと同じ癌で亡くなったわけではない。
彼女は癌を ある程度克服し、医者からも癌の転移はなく大丈夫だと言われていた。
しかし、彼女は 癌を克服した後、怪我で足にボルトを埋めることになり 足が不自由になった。
そして 大好きだった山行を断念しざるを得なかったわけであり、ちがこさんに山の話を聞くのを楽しみにしていてくれたわけである。
前回、山女のおばさんの自宅を初めて訪れたちがこさんだったが、山女のおばさんの喜びように またの機会を すえたろうさん夫婦と計画している矢先のことだった。
最初で最後になってしまった 山女のおばさんとの出会いは 彼女が帰宅時に持たせてくれた 八ヶ岳の古いガイドブックだけになってしまったのだ・・・
ちょっと前の流行の曲に 【千の風にのって】という歌がある。
きっと 山女のおばさんもまた この歌のように お墓の中にはいないはず。
じっとしている人なんかじゃない!
不自由であった足からも開放され お山に行きたくて ウズウズしているに違いない!
行こうよ お山に!!
ひとちがが 同行するよ。
ザックの上にでも腰掛けて!
一緒に お山を楽しもうじゃない!
千の風にのって 山女のおばさんは 桜吹雪とともに ひとちがの心の中に存在している。
大先輩である 山女のおばさんに ご冥福を・・・
そして 山女のおばさん、長い時間 お疲れさま・・・













