ここは岩手県大槌町吉里吉里。井上ひさし氏の小説 『吉里吉里人』の舞台にもなった町の海水浴場のある海岸。町の人達が 思い思いに海岸にテントをはりキャンプを楽しんでいる。炊事棟やトイレもあり、1人500円の協力金を払えば自由に使うことができる
海水浴場なのでシャワーもあり、頼めば無料で気楽に使わせてもらえる。村長さんがニコニコと対応して下さる。暴走族が入って来ないように常時監視され、トラブルが起こればすぐに警察に連絡が行くようになっているそうだ。
要するに町の人達や外来者が安心してキャンプを楽しめるように取り組んでいるようで、警備の人が詰め所につめているが、『○○警備保障』と言うようなシャクシジョウギな警備員と違ってそこいら辺に住んでいる普通のおじさんで、いかにも地元の人と言う感じなのだ。
村長さんも警備のおじさんも9時頃には帰って行ったが、帰り際に『地震があったら防災放送を流すのですぐに避難して下さい』と言った。夜中に目が覚めて外に出ると、別のおじさんが近寄って来て『泊まりの方ですか』と聞かれた。こうして一晩中警備している人にも守られて朝を迎えることができるのだ。
3時には目が覚めて食事の用意にかかるのが常だが、今朝は釜石の市場で食材を仕入れてから遠野の道の駅で朝食を摂ればいいと考えて朝食をつくらず、昨夜聞いた近くの港で朝市があると言う情報を頼って大槌漁港に行ってみたが、『市は日曜日だよ』と言われてスゴスゴと引き返す。
テントを撤収し、5:20に出発。釜石に向かう。
14:00,馬返しCP場発,R282から県道16で盛岡市を迂回して14:50頃,R106に入る。この道は閉伊街道と呼ばれ、並走するJR山田線とともに早池峰山の北を通ってまっすぐに宮古に向かう。岩手県内の道はどこも広くて立派な道ばかりで交通量も少なく走りやすい。15:50,川井村の道の駅・やまびこ館で15分の休憩。
16:50,浄土ヶ浜に着き、浜を散策しながらキャンプ場の情報を収集。17:50発,釜石市に近い浪板海岸か釜石市の根浜のキャンプ場に狙いを定めてR45を南下する。
浪板海岸のCP場は国道から見えたがあまりにもテントの数が多いので敬遠してテン場にふさわしい海岸を探しながらゆっくり走っていると、同乗のTさんが海岸に張られたテント群を発見。そこに入り口があったのでそのまま入ると『進入禁止』の立看板があり、『これはダメかな』と思ってUターンするつもりで進入したついでに『キャンプしたいんだけどダメかな?』と聞くと『いいよ,何人だい?』『6人だけど』『管理費として1人500円でOK。今すぐならシャワーもあるよ』とあっさりOKが出たので、後の車とも相談して幕営することに決める。
『キャンプ場の情報にはなかったけど、何というキャンプ場?』と聞くと『ここは吉里吉里海水浴場』だと言う。『吉里吉里って、あの吉里吉里共和国の?』『うん,そう。今,村長を紹介すっから受け付け済ませて!』と言う。
『村長って、ここは村かよ・・?』と思っていると、人のよさそうなおじいさんみたいな人がニコニコしながら名簿を出して『ここに名前と人数書いて!』と言う。はじめに応対してくれた人は警備員だそうで、『進入禁止』と書いてあるのは暴走族などを入らせないための看板なのだそうだ。要するにここは町民や近隣の人達が昼は海水浴を楽しみ、夜は安心してキャンプできるように町中あげて管理しているということらしかった。
キャンプ場にはかなりの数のテントが張られていたが、子ども連れの家族が多く数の割には静かで、大きな花火の音や嬌声もなく、節度をもって控えめにキャンプを楽しもうとする空気が感じ取れた。18:00着。
私達はこのキャンプ場が大いに気に入り、すぐにテントを張って遅い夕食の準備にかかる。何と言っても炊事棟に電灯があるのがあり難かった。飯盒飯,挽肉を使ったマーボーナス,ゆでたジャガイモと赤タマネギのスライス,納豆。コンビニへビールを買いに走って19:30から夕食。
後は潮騒と海の香を枕に、テントで,車で,あるいは砂の上で眠るだけ。