早月尾根 北ア三大急登のひとつ
天候の回復を待ち一日遅れで馬場島を6時出発
テン場までは5時間程、私どもの足でもお昼には着く予定。
雲の切れ間から山群が見える。 小窓尾根か剱尾根か?
山道はいっきに急坂となるが、土嚢を積み整備された道は歩きやすい。
尾根道の土は剥がれ木の根の階段のように続くが前日の雨で滑りやすい。
空の色は激しく入れ替わる。
9:54 1920,7m三角点標石にたどり着く。
丸くなった頭が時を感じさせる。
11:20 こざっぱりしたピークに出た、2224m丸山だ!
足元には小屋も見える。
山道の整備をされている方が休憩を取っておられる 挨拶をして小屋へ..。
早月小屋の主人、佐伯氏は元富山県山岳警備隊員。
ガッチリした体格はどちらかというと機動隊員を思わせる。
冬剱はこの方のアドバイスを得たい。
15:00 テン場から小窓尾根
雲が忙しく通り過ぎる。 16:40 一瞬、剱の後頭部が見えた!
17:14 大日連山 夕日を待ったが、雲の中に消えた。
早月尾根からは剱の容姿は見ることはできない。 これが 裏剱
晩飯はレトルトカレーにロング缶4本、
そこそこ酔ってゴロン。
寒くて目が覚めた‥シュラフカバーのみじゃ無理ですわ!
翌朝は4:00テント発 薄明るくなる頃樹林帯を抜ける。
薄紅とともに岩場が始まる‥高揚してくるのがわかる!
小窓尾根 5:15
5:29 しし頭?
5:49 白馬かな〜?
岩場を這い上がりガレ場に出ると剱沢からの合流地点
六時半頃頂上..やっとの360度
おお、北鎌尾根が見える!
残雪期、剱沢へ下り
ぐるりと廻って

北方稜線から戻ってくる。 無理かな〜?
北方稜線側から..サル山状態の山頂
>まるまる大明神の御札を探したがみつからず、一時間ほどウロウロしテン場へ戻る
テン場で朝昼を兼ねた食事はカップうどん
11:30 小屋の主人に挨拶をし下山
再び観音様に手を合わせたのは四時近く...コースタイムかる〜く一時間オーバー!
尻スベリで降りてきたばあさん..流石にまいったようだ...「これからは身分相応の山にします!」とのコメント
...裏剱...また、来ま〜す!
独標の朝
四時過ぎにテントを出る..まだ星空, 東西の尾根には明かりが
見える。 小屋だろうか?
穂先にも明かりが...もう登山者が。 穂先は狭いと聞く。
私はまだ、槍の穂先へは登ったことがない。
やがて東の空が..。私はこの時間が好きだ ゆっくりと今日が始まる。
朝食は昨日のカレーの残りをチキンラーメンで流し込む。
今日も移動十時間程の予定、少しバテ気味か..食欲がない。
五時半過ぎ出発。 穂先まで六時間、西岳テン場まで三時間半ぐらいか
穂先までは尾根通しに行けるとか行けないとか...右下千丈沢側に
トラバース道が見える。 ほとんどの方がトラバース道を選ぶようだが、
私は尾根通しに拘りたい。 北鎌尾根の主、小池さんのおすすめコース。
独標は2899m、穂先は3180m標高差は裏山ほどしかないが滑落と落石
に注意して慎重に進む、崩れやすいガレを這い上がり下り、つまれば右を
覘き、左を覘く。
まるで迷路箱のねずみのように..!
北鎌平の手前辺りか、完全に前が切れている。
真新しいザイルが左の天上沢側に垂らしてある、降りてみるがルートが
掴めない。
登り返して千丈沢側にザイルを振り、ズリ降りてみると踏み跡もあり稜線へ
戻れそうだ。
あまりの暑さにドン亀組は小ピーク一つ越せば岩陰で一休み。
岩の冷たさがここちよいそのまま眠りたい気分。
そうこう繰り返しているうち野営跡に出る、北鎌平だ。

巌に慰霊板がモルタルで貼り付けてある。「春雪の北鎌に逝く」
穂先が墓標に見える。
上空をヘリが舞う、私達を見つけたのか様子を伺うように立ち去った。
ここからは一気に登りになるが踏み跡ははっきりしている。
這い上がっていくと有名なレリーフが現れた、巌に打ち付けてある。
もう少しだ!
さらに登ると巌の裂け目に出る、「下のチムニ−」と呼ばれるところのようだ。
左巌上部にスリングが垂れている。 登りつめ左手にスリングを巻き右手で
右巌の手がかりを探る、跨ぐ様な格好で右巌に移る。
一気に上体を巌の上へ...力が抜けた。 手がかりが剥がれたのだ。
目の前が真っ白になり、断崖が脳裏に映った、墜落だ!
落ちたのは相方の背中の上、覆いかぶさるように...
相方が背中で受け止めてくれたのだ。 これ以上落ちないように必死で
こらえた..数秒間はそのままの状態...相方に声をかけたがうなり声を
上げただけ...装備重量90キロ以上の者を6mの高さから受けたのだから
大丈夫なわけがない。
ゆっくりと転がるように退いた。 幸い地面に手を付いた時の切り傷のみで
済んだ。 私は左足膝辺りの打撲、消毒をしバンデリンを塗りこみ包帯を
まいて一休止。 ふと下を見ると一人登ってくるのが見える。
ハーネス装備のクライマーさんだ。 その方も北鎌沢でルートを間違え苦労
したそうな...。相方は先に私が落ちたところ登りつめたがクライマーさんは
右に巻いて「こっちが楽だよ!」と声をかけてきた。
私は声の方を登った、確かに苦もなく登り詰めた。
また、巌が現れたこれが「上のチムニ−」今度は難無く乗り越えられた。
数歩登って小さなテラスに出ると上から声がする、見上げると人が見える。
おお!着いたのだ。
座り込んで北鎌尾根をしばらく見つめた。
相方が声をかけてきた「上で休もう!」
私にはここが頂上、何の喧騒もない。
この山行では勉強させられた。 体で観る事を...。
三時半過ぎ二日目の朝を天上沢で迎える、幸い雨も降らなかったようだ..テントは
濡れていない。
東鎌尾根と北鎌尾根を水源としているのが天上沢である。
西鎌尾根と北鎌尾根を水源としているのが千丈沢で二つの沢が
一つになり水俣川に、さらに高瀬川となり高瀬ダムに注ぎ込む。
今日はその源流部にさしかかろうとしている。
カップ麺のきつねうどんの朝食で5時過ぎ出発。
10分ほど河原を溯ると水は消えた。 北鎌沢との合流部を気に
しながら石コロつたいに歩く...やがて石積みが目に留まる
北鎌沢出会いだ。
北鎌のコルまでは3時間あまり、この急登が終れば後は稜線つたい。
貧乏沢に比べれば歩きやすい、浮石も少なく石と石の間にしっかり
砂が詰まっている。
左俣との分岐あたりで給水。 ここから先はあるかどうか分からない
わずかな残雪に頼るしかない。
右俣は沢幅は細いが急なガレ沢に変わっていく..這い上がる巌が
増えてくる。
所々に水が湧き出している。今のうちにと思い、すすりながら登る。
振り向くと一人の若者が登ってきた早朝に大天井ヒュッテを立ってきたそうな..早い。
野営なしで穂先まで..装備を考えるとこの方が楽とのこと、確かに。
ルートを知り尽くしているのであろう。
私達も一度は考えたが、クライマーさんでも2泊しておられるコースだ
初心者が無理ができるコースではない。
一服している間に視界から消えた。 山行記では最後の二俣を
右にとって登りきったところが北鎌のコルとなっている。
ふと見ると200mほど先に4〜5人の先行者が見え隠れしているが
私達はらしきところを右にとり、藪の中を登り這い松帯に突っ込んでいく。
斜度は40度を越えているだろう這い松をたぐり寄せ、草を掴み這い上
がっていく、どうも予定のコースから外れてコルの北側のピークを
登っているようだ。
左下、右俣コースを歩いている人たちが見えるが、そこに降りるには
ザイルがいる、戻る気はないひたすらピークを目指し藪コギ、
伸びた這い松で羽交い絞め、首が抜けてもザックに絡む。
蜘蛛の巣に掛かったような状態で一服、予定の3時間はとっくに
過ぎているが前がまったく見えない!
さらに1時間這いずり回ってピークに達した。藪コギは慣れてはいるが
こんなのは初めて、もう余力など残ってない。
コルは遥か下、野営地は独標ピークに決めて、尾根通しに降下を
始めるが垂直に近い下りが現れる8mほどか、空荷で草掴みでズリ降り
下でザックを受ける。
ザックに縛り付けたメットが頭に当たった..痛ってぇ!
どうにか北鎌のコルにたどり着くここから独標手前の2749mの
ピーク(天狗の腰掛)を目指す。

登ってきた名もないピークを見上げる、右斜面を這い上がった。
這い松の根を手がかりに這い上がっていくが先ほどのコースから見れ
ば何の苦にもならないがいくつかの小ピークを越える度に小休止。
クライマースタイルの二人の兄さんに越されていくが北鎌平で野営と
のこと。
巌稜帯に入るが道も思ったよりハッキリしていて戸惑うこともない
快晴ゆえ尚のこと..ドン亀組が巌を這い上がりズリ降りながら..。

危なげな残雪をかき集め、水袋に1kほど詰め込む雪割りように。
独標の正面にたどり着くがトラバース道を行く、右に廻り込みながら..

穂高縦走を遥かにしのぐが、面白い。 しかし、独標へのルートが
掴めない。廻り込んでしまうと稜線が見える、また戻る。
中間地点からガレの斜面を這い上がり這い松帯を手がかりに登って
みる、相方は岩つたいに登っていく、左に大きく弧を描くように。
巌のテラスに取り付く 錆びた杭があった、この上に違いない!
這い上がった。 北鎌尾根が前後に一直線に並んだ!

独標の草原
テントを張り、雪割り梅ブランデー+ウィスキーで乾杯!
貧乏沢降下点..やっとスタート地点 ここからは私が斥候役。
背丈ほど伸びた這い松帯をくぐると天上沢への900mの降下が始まる。
浮石のガレ沢、慎重に下る。 こんな所で足をくじいたら笑い話にもならない。
山行記には詰まったら左に巻けとのアドバイスがあった。
左岸沿いに降下していくと樹林帯に踏み跡が見え隠れ..踏み跡をたどるが途中で消える。
また戻り、沢へ..この繰り返しである。 やたら手間取る。
予定の2時間を越えても天上沢の水音が聞こえてこない。 疲れた!
沢を覆っている雪渓上を滑り降りるが相方は左岸を巻いている。
右手斜面から滝のように水が合流してくる。
しばし休憩、顔を洗い水をがぶ飲み この辺りで野営したい気分だ。
とりあえず、5時まで歩くことにする。
水の中も気にせず、大岩もズリ降り沢を下って行った。
やっと着いた!4時40分、降下点から天上沢まで3時間20分も掛かった。
急ぎ野営地を探す、雷雨を考え岸辺の大木の下にテントを張る。
ビールを沢に沈め、パンツ一枚で沢に入るが数秒も持たない 岩に腰掛て手拭いと
Tシャツを洗いながら 体を拭く 最高の気分。
流木を集め焚き火をしながら乾杯! 沢ならではの野営。
明日からが本番...沢音を子守唄に眠りに就く。
私にとって北アルプスは未知の領域、昨年の槍南鎌尾根縦走と今年でまだ二度目。
北鎌尾根の存在を知ったのも南鎌尾根から帰った後のこと。
地図に登山ルートが表記されていない..藪山か?
山行記を寄せ集め、とりあえず無難なコースを設定。
相方は65歳..二人合わせて120歳のドン亀組。
ザイルはもたずヘルメットは一ヶ、テン泊二泊三日の仮日程でマイ車車中泊で中房温泉をスタート。
合戦尾根を越え大天井ヒュッテの貧乏沢降下点までは8時間余りのウォーミングアップ。
燕山荘で目に入った北鎌尾根..昨年の西鎌尾根からの様子とはかなり違う、まるでゴジラの背のようだ。
穂先に鋸刃を突き上げながら伸びている。
斜度に圧倒される。
初めての山々を眺めながらゆっくり進む、野営地天上沢までは遠い。
昼近く槍から西鎌尾根にかけて雲がわいてきた。 炎天の稜線歩きにはありがたいが
同時に雷鳴が始まったが身を隠す場所もない..黙々と進む..。
大天井ヒュッテに13時半頃たどり着く。 500の缶ビールを3缶 新聞紙に巻いてザックの奥へ..。
ガレ場でコケてザックに飲まれたんじゃもともこもない。
20分程で貧乏沢への入り口に出る。 看板は余り目立たないように山側に寝かすように立ててある。
一般登山者が迷い込まないようにの配慮らしい。
名山の脇の無名山
加ヶ森山...赤石山脈深南部
光岳のお隣さん
仁田岳...無残にも倒れておりました。
茶臼岳のお隣さん
ノコギリダケこの山名から秀麗な山容を思い起こす人はいないでしょう。
しかし、私はなぜか魅かれるのです...このお山に。

愛鷹鋸岳 このお山を最初に目にしたのは2000m以下日帰り山歩専門のころ
愛鷹山でした。

霧の中に浮かぶ異様な山塊郡...ヤバそうな感じ。

甲斐駒鋸岳 黒戸尾根から甲斐駒へ..頂上からの秀麗な山々の中で北に延びる
鋸岳..まさに甲斐駒の異端児。

昨年と今年でその二群へ。
後二つ、鋸の名はないが、「鎌崩」黒法師岳と不動岳の稜線沿いに位置します。

ばあさんのモーレツな反対に合いとりあえず延期。

最後は槍の「北鎌尾根」...さて、何処で敗退か..。